- 原詞/曲:Reginaldo Veloso
- 訳詞:松本敏之 1999
(くりかえし)
切り株から枝が 枝から花が 花からマリア そして救い主
1. 彼の上には 知識と知恵と 勇気と思慮の 霊がとどまり
まことの神を 畏れ敬う 霊に満たされ 彼は喜ぶ (くりかえし)
2. 見た目によらず 噂によらず 正しい裁き 彼は行い
正義の帯と 真理の服を その身にまとい 悪を滅ぼす (くりかえし)
3. 狼、羊、子山羊、若獅子 子どもに引かれ 共に育ちて
雄牛も熊も その子どもらも 共に干し草 食べて安らう(くりかえし)
4. 幼い子ども 獣と遊び 蛇も蝮も 害を加えず
水が海原 覆うがごとく 主を知る知識 世界を満たす (くりかえし)
5. その日には主が 御旗を掲げ 御神の民を 解き放たれる
ねたみと敵意 全て断たれて 平和の道が 前に広がる (くりかえし)
□ 訳者より
ブラジル北東部のキリスト教基礎共同体を代表する音楽家神父レジナルド・ヴェローゾの作品。哀しくも美しい旋律の中から、希望を指示す力強さがふつふつと伝わってくる。ブラジルの軍政時代(1964~86)、ブラジル・カトリック教会司教会議議長として、軍政に真っ向から対峙し、一歩も引かなかったドン・エルデル・カマラは、北東部レシフェ/オリンダの大司教であったが、レジナルド・ヴェローゾは彼の元で働いていた。ヴェローゾ神父は腐敗した政権を批判する歌を作って民衆と共に歌い、1970年代に二度投獄されている。このクリスマス・ソングも、そうした厳しい現実の中で、作られたものである。私は1997年サンルイス(ブラジル北部)で開かれたキリスト教基礎共同体の第9回大会に、レシフェの基礎共同体の人たちの貸し切りバスで参加したが(片道30時間!)、その時、同乗したヴェローゾ神父と親しく話す機会を得た。「カエターノ・ヴェローゾ(ブラジルの超大物シンガーソングライター)とご親戚ですか」と尋ねたら、「違うと思うけれども、もしかしたらそうかも知れない」と笑って答えてくれた。
原歌詞前半の直訳は以下のとおり。
「切り株から枝が出、枝から花が咲き、
花からマリアが生まれ、マリアから救い主が(生まれた)」
後半は、イザヤ書11章の聖句を基にして、ポルトガル語で歌いやすいように歌詞を作っているようなので、私も原歌詞と聖書を見比べながら、日本語歌詞を作ってみた。
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