- 作詞/作曲:川上 盾 2011年
1. ゆっくりていねいに あせらずじっくりと
までいに までいに までいにゆこう
お金のことよりも 心を大切に
までいに までいに までいにゆこう
風を感じて お日さまをあびて
大地踏みしめ 汗を流して
までいに までいに までいにゆこう
2. モノがあふれすぎて 豊かさ見失う
までいに までいに までいにゆこう
便利さばかりでは 知恵がすたれてゆく
までいに までいに までいにゆこう
こどものいのち 年よりのいのち
男も女も 共に輝く
までいに までいに までいにゆこう
3. かならずこの村に 帰ってくるんだと
こころに こころに 思いを刻む
望みは捨てないで でもあせらずじっくりと
までいに までいに までいにゆこう
どんな嵐も 必ずやむときが来る
雲が晴れれば 朝日がのぼる
までいに までいに までいにゆこう
□ 作者より
「までい」とは、「ゆっくり」「ていねいに」という意味の福島県北部の方言です。福島県飯舘村では「までいの力」をキーワードに、大量生産、大量消費の生活を見直し、自然と人のつながりを大切にしたスローライフの“村づくり”を長年にわたり進めてきました。しかし福島第一原発事故による放射能汚染で、村は「計画避難地域」に指定され、住民6200 人の多くは避難を余儀なくされてしまいした。原発からは40 ㎞も離れているにも関わらず、風向きによって大量の放射能が流れてしまったのです。よりによって原発に象徴される現代文明とは対極の暮らしを目指していた人々が、こんな目に遭わされるとは...。どれほど悔しい思いをしておられることかと想像すると、心が痛んで仕方ありません。
けれども、あんな出来事が起こってしまった今だからこそ、村の人たちが育んでこられた「までいの力」を、この国に生きるすべての人が大切なものとして学んでいかねばならないとの思いを強くしています。この歌は、そんな飯舘村の人たちへのオマージュです。
震災直後、関西学院大学神学部生(当時)の小野歩さん(これさんメンバー)から、相談を受けました。「被災地の支援ために何かしたいが、自分は遠く離れていてなかなか出かけることができない。関西で息の長い支援活動、例えばチャリティコンサートのような活動ができないでしょうか」。そこで二人の連名で周囲の人々に呼びかけ、年4回のチャリティ・イベントの実行委員会を立ち上げました。そのイベントのタイトルとして「までい」という言葉をお借りしました(「うた・こえ」支援プロジェクト“までい”)。春・夏・秋・冬、季節毎に、同じ思いを抱いた人々が集まって歌声を合わせ、支援を呼びかけ、また被災地で活動する人たちの声を聴く、という内容です。そのイベントのテーマソングとして、毎回この「までい」が歌われています。 (川上 盾)
□ 歌い方のポイント
日本民謡風の、歌いやすいメロディです。特にくりかえしの「までいに、までいに、までいにゆこう」のところは、みんなで力を込めて...いや、心をこめつつ「までいに」歌って欲しいですね。
●(サンプル音源は準備中です。しばらくお待ちください)