- 詞:Wihla Hutson
- 訳:池上信也 1996
- 曲:Alfred Shaddick Burt
- 編:Gene Puerling
1. キャロル、キャロル さあ行こう
かねが鳴るよ
雪の中 出かけよう
かねが鳴るよ
喜びの歌 心に響く
ディンドン ディンドン
かねが鳴るよ
2. キャロル、キャロル みんなで
かねが鳴るよ
あちこちの 街角
かねが鳴るよ
悲しむ人を 励ますように
ディンドン ディンドン
かねが鳴るよ
3. キャロル、キャロル 今夜は
かねが鳴るよ
星まで 届けと
かねが鳴るよ
御子イェス降る 嬉しい知らせ
ディンドン ディンドン かねが鳴るよ
□ 訳者より
作曲者のAlfred Shaddick Burt は1920年にミシガン州で牧師の息子として生まれました。作詞者のWihla Hutson は1901年にインディアナ州で生まれ、28歳の時にAlfredの父Bates Burt が牧する教会のオルガニストになります。Bates 牧師は毎年のクリスマスカードに自作の詩を書き送っていて、やがてそれに息子Alfred が曲をつけて親子共作のキャロルが生まれました。"Jesu Parvule"(1943)、"What Are the Signs"(1944)、"NightBethlehem"(1947)などが有名です。
1948年に父Bates が逝去し、翌年Alfred に子どもが与えられた時、妻Anne の強い希望で、亡父Bates に代わってWihla がその年のクリスマスキャロルを書きました("Sleep,Baby Mine" 1949)。これがBurt-Hutson 共作の最初であり、Alfred が33歳で亡くなるまで続きました。有名なものには"This Is Christmas(Bright, Bright the Holly Berries)"(1950)、や今回ご紹介する"Caroling, Caroling"(1954) があります。
この曲は肺癌に倒れたAlfred が亡くなる最後の年に、折しも第2次世界大戦のさなかという厳しい状況の中で、それでも愛する人々にクリスマスの希望を伝えようとカードに書き送った作品です。そのことを思うと感慨深いものがあります。1963年にNat King Coleが往年の名作アルバム「クリスマス・ソング」の中で歌ってヒットし、後に娘のNatalie Coleもカバーしましたが、今回はThe Singers Unlimited が1984年にアルバム"CHRISTMAS"で歌った、Gene Puerling 編曲のものに拙訳を乗せてご紹介します。(池上信也)
□ 歌い方のポイント
ベースの音域の広さ、ソプラノとアルトの近接和音など、高度な技術が要求される譜面ですが、「難しい」という先入観は捨てて「楽しいキャロル」だと思って歌ってもらえれば良いと思います。The Manhattan Transfer も"THE CHRISTMAS ALBUM"で歌っていますが、どちらも最終節で半音高く転調しています。どうもそれが「お約束」のようですね。(池上信也)
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