- 詞/曲:平良愛香 2012
わたしは 親を愛せない
わたしは 親を愛さない
(間奏)
1.いのちを与えてくれた
それは事実だけど
わたしは愛されなかった
傷つけられてきた
2.親からいのちを受けた
それは事実だけど
わたしは痛め続けられた
殺されてきた
わたしは 親を愛せない
わたしは 親を愛さない
3.心のやさしい人たちが言う
「それでも つとめて愛しなさい」と
「その日がきたなら きっと愛せる」と
ああ、そのやさしさがわたしをえぐる
わたしの痛みに 誰も寄りそおうとしない
わたしは 親を愛せない
わたしは 親を愛さない
4.聖書が戒めている
それは事実だけど
父母を敬い 生きるなんて
わたしにはできない
イエスさま、イエスさま
どうすればいいの?
わたしは冷たい人間なのでしょうか?
5.主イエスが わたしに 語りかける
「あなたの 苦しみは
わたしが 一番知っている
恐れることはない
覚えておきなさい
わたしは あなたを愛してる」
6.「あなたが受けてきた その苦しみ
ゆるすことで 暴力が 肯定されるなら
ゆるしてはならない
覚えておきなさい
わたしは あなたを愛してる」
大切なことは ほかに ひとつもない
イエスが わたしと 共に生きている
大切なことは ほかに ひとつもない
(わたしは 親を愛せない)
イエスが わたしと 共に生きている
(わたしは 親を愛さない)
□ 作者より
とにかく苦しんだ曲です。何人かのクリスチャンの友人から「親を愛せない」という声を聞き、「父なる神どころか母なる神も恐怖である」「親を敬え一点張りの教会は苦痛でしかない」と訴えられました。イエスならどう答えただろうとずっと考えてできた歌です。
実は、歌集印刷ぎりぎりまで作り直しをしました。最初に発表したときには、6番の歌詞はなかったのですが、前述の複数の友人から「いい歌をありがとう。でも、一番言って欲しい言葉は入っていない。」と言われました。その言葉「親を愛さなくてもいい」を本当に入れていいのかどうか、半年以上悩みました。
その後、「ハラスメントの相談窓口などで、クリスチャン被害者が『でも相手をゆるさないといけませんよね』と言うのでとても困る」という話を聞きました。相手をゆるすことで、暴力を肯定し、固定化してしまう現実。決して神はよしとしないでしょう。
親を愛さなくてもいいかどうかは、歌の中では結局触れていません。でも「簡単にゆるしてはならない」ということはきちんと伝えたいと思います。
マタイ10:37の「わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない」という言葉は、もしかしたら「父母を愛することよりも大切なことがある」というメッセージなのかもしれませんね。(平良愛香)
□ 歌い方のポイント
あまり感情を込めすぎないで歌うといいと思います。
最後のフレーズは好きなだけ繰り返すことができます。(平良愛香)
●(サンプル音源は準備中です。しばらくお待ちください)