- 詞:川上 盾 2008
- 曲:福岡県民謡
1. 風が吹く吹く 風が吹く ア、ヨイヨイ
あきらめの心に 風が吹く
あんまり弟子たちが弱いので
さぞやイエスさん せつなかろ サノヨイヨイ
2.風が吹く吹く 風が吹く ア、ヨイヨイ
自由へと導く 風が吹く
だけども現実がキツいので
さぞやお弟子さん しんどかろ サノヨイヨイ
3.風が吹く吹く 風が吹く ア、ヨイヨイ
目には見えなくても 風は吹く
どこからともなく 吹いてきて
どこへともなく 去ってゆく サノヨイヨイ
□ 作者より
以前から気になっていたことがあります。日本の教会で歌われる賛美歌のうち、ポピュラーなものには日本の民謡から作られたものがない、ということです。沖縄には『琉球賛美歌』の系譜があるのですが、「ヤマト」にはそれが見あたりません。1954年版『讃美歌』245番は「今様(いまよう)」によって作られた珍しい賛美歌ですが、教会の礼拝でどれだけ歌われたでしょうか? 歌われたという話を聞いたことがありません。『讃美歌21』などはあれだけたくさんの外国の民謡の賛美歌があるのに、日本の民謡は皆無です。
「なぜだろう?」と思ってたのですが、この「聖霊節」(ご存じ『炭坑節』の替え歌です)を作っていて思い当たりました。こういった賛美歌を礼拝の中で歌うと、礼拝が「軽く」なってしまう…、それを避けてるのではないか? ということです。
でもねぇ…。民衆がその暮らしの中でささやかな喜びを分かち合うために生み出した文化を取り入れることによって「軽く」なってしまう…、そんな礼拝って???
以前、賛美歌学会の論集の中で「南アジアの人々は自分たちの民謡の賛美歌を大らかに受けとめるのに対して、東アジアの人々はそれを忌避する傾向がある」というレポートを読んだことがあります。日本をはじめ東アジアでは「賛美歌イコール西洋文化のメロディ」というイメージが定着しているのかも知れませんね。
「民衆文化と教会」…考えさせられるテーマです。(川上盾)
□ 歌い方のポイント
上のように書きましたが、この歌を礼拝で歌えるかどうかは、その教会の自由度や許容量と比例しているかも知れません。比較的自由度が高い方だと自認しているウチの教会でも、さすがに礼拝の中で歌うのはためらわれました。ペンテコステ礼拝の時に、礼拝後のアトラクションとして教会の人々に披露しました。案の定、あとから賛否両論聞こえてきました。
あまり「堅いこと」言わずにすむような、気兼ねない雰囲気の集まり(愛餐会など)の時などに、ぜひ。三味線を弾ける人がいたら協力してもらいましょう。(川上盾)
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